2015年新年のご挨拶

新年のご挨拶
 
動物介在教育・療法学会 理事長 柿沼 美紀
 
 新年あけましておめでとうございます。本学会の会員の皆さまにおかれましては、ご健勝にて新年を迎えられたことと心からお慶び申し上げます。
 旧年中は,本学会の事業活動にご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 
 戦前から戦後にかけて、吉田平七郎という高校の教師が子ども向けの動物園動物に関する記事や本を書いてます。昭和13年には「動物園から」、16年には「科学する動物園」という児童書を執筆しています。「動物園から」は進化生物学者のジュリアン・ハクスリーが子ども向けに書いたAt the Zoo(1936年)という本に影響され、日本の子どものために書いたそうです。進化生物学の視点から動物を解説する本は、当時の他の児童書とは大きく異なるものでした。「科学する動物園」には写真もふんだんに使われています。何週間もねばってシャッターチャンスを待ったと書かれています。60年以上たった今大人が読んでも楽しめる内容になっています。
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 作者についての情報は少なく、詳細は不明ですが、子ども向けの新聞にも記事を書いており、子どもたちに親しまれていたようです。どれだけ多くの子どもが吉田氏の記事や本を読み、動物園に行ったことでしょうか。そしてこういった本の存在が子どもたちの科学的思考を育んだことでしょうか。日本の動物行動学や獣医学の発展に影響を与えても言えるかもしれません。大学の同僚もその本の装丁を見て、子どもの頃に学校の先生に勧められて読んだことを覚えていました。面白い本だったので戦後も学校にあったそうです。
 子どもは社会の一員となるために、自分を取り巻く環境の中から多くのことを吸収して育ちます。子ども時代の経験がその後の思考や行動に大きく影響するのはそのためです。だからこそ大人は子どものために豊かな環境を作る必要があります。
 動物介在教育・療法学会も子どもたちのために豊かな社会を築く努力を続けてまいります。子どもたちが動物との良い関係を経験するだけでなく、動物が社会の中で健全な形で人と共存できるように働きかけていきます。本年も皆様のご協力、ご支援をいただきながら、より充実した学術事業、人材育成事業そして普及啓発事業を展開してまいりたいと存じます。会員の皆様方の一層のご支援をよろしくお願いします。
 最後になりますが,会員の皆様方の本年のご活躍とご発展,ご多幸をお祈りし,新年のご挨拶とさせていただきます。
 
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