動物介在教育は、動物を「いのちある教育のツール」として活用し、教育の質及び学習意欲の向上を目的に行われる。
動物介在教育とは、対象者各個人または、グループ(クラス)での教育または学習の目的や目標が設定され、教育計画(または学習計画)に基づき、一定の基準を満たす動物とハンドラーと共に、特別なトレーニングを受けた専門家(動物介在教育エデュケーターなど)または教員によって、教育活動の範囲で実施され評価される。
1990年に、人と動物との相互作用の正しい理解を促進させるために各国で活動している学会、協会等の国際的な連合体として、 「米国のデルタ協会」、「フランスのAFRAC」、「イギリスのSCAS」が中心となり、IAHAIO (International Association of Human-Animal Interaction Organizations)が設立された。
この組織の目的は、全てのIAHAIO加盟国、加盟団体の協力と協調により、世界の「人と動物との相互作用の研究」を「人と動物双方の生活の質と福祉の向上」に活用していくことである。2001年の会議の中で、AAEという言葉が用いられ、そのガイドラインが提示されている。
日本では、学校飼育動物の世話をはじめ、犬とのふれあい(接し方)教室や動物愛護事業など、動物が存在するだけで動物介在教育と呼ばれ、「教育(または学習)支援」を目的に動物を用いています。
しかし、「いのちある教育のツールとして動物を活用する」というプログラムはあまりないのが現状です。海外での事例を拾っても、ヒューメイン・エデュケーション(Humane Education)が主流であり、AAEに関するものは少なく、動物介在教育がまだ新しい緒についたばかりの新しい分野であることがわかります。
教育支援犬は、以下5条件を満たしていること
教育支援犬とは、教科学習の目標(目的)を達成するために、いのちある教育のツールとして活用する犬のことで、正の強化を中心にトレーニングされ、十分に社会化された犬でなければならない。また、教育支援犬は、教育支援犬のハンドリング講習や犬の行動学や動物人間関係学などの知識を持ちえたハンドラーとのペアで活動する。
生活科や道徳などの授業で命の大切さや生き物とのふれあう体験を得る機会として活躍することが多く、犬の専門家や、犬の扱いを熟知した人材が参加することで、教師も保護者も子どもも安心して授業に参加することができる。