特定非営利活動法人

動物介在教育・療法学会

Asian Society for Animal-assisted Education and Therapy

ASAET

理事長挨拶


私は2013年2月に本学会の第二代理事長に選任された日本獣医生命科学大学の柿沼美紀です。

今年3月にあらためて理事長として選任され、3期目を迎えます。本学会は、日本の動物介在教育や療法に関係している人たちが、この分野をより科学的に探求し、話し合う場としての学会が欲しいと考え、初代理事長の樋口誠一先生の声かけのもと2008年に発足しました。

学術の発展と人材育成を軸に成長してきました。中でも人材育成に関しては日本の学術団体としての初の取り組みでした。この10年間の間に的場副理事長の主導のもとに動物介在教育のスペシャリストの育成プログラムが発足し、受講した方々は300名を超えます。学術面ではその方々を基礎的研究面で支えて行く使命を担っています。こちらは土田副理事長が地道にその充実拡大と水準の向上に取り組んで下さっています。

成長過程にある本学会ですが、多くの課題もあります。学会誌の充実拡大と水準のさらなる向上はその一つでしょう。動物介在療法の人材育成はようやくスタートを切ったところです。また介在動物に関する講習や基準づくりも今後の課題となっています。

理事長としては、皆様が学ぶこと、研究を重ねることを楽しめる学会にしていきたいと考えております。私は毎年楽しみにしている学会がいくつかあります。今年はどのような出会いがあるだろうか、他の研究者はどんな研究をしているだろうか、特別講演では何を学べるだろうか、自分の発表にどんなコメントがもらえるだろうか、とワクワクしながら準備をします。皆さんにとって動物介在教育・療法学会がそのような場になるよう取り組みたいと考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

理事長 柿沼 美紀


動物介在教育・療法学会 理事長 柿沼 美紀

 新年あけましておめでとうございます。
本学会の会員の皆さまにおかれましては、ご健勝にて新年を迎えられたことと心からお慶び申し上げます。
旧年中は、本学会の事業活動にご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 2018年7月にブタペストにあるEötvös Loránd UniversityではCanine Science Forum(イヌ科学研究フォーラム)がで開催され、学生とともに参加してきました。ここはAdam Miklosi博士が人と犬の関係の研究を1994年代に始めた大学であり、イヌの認知研究の世界的な拠点です。

https://familydogproject.elte.hu

 第二次世界大戦ではブタペストは戦場となり、世界遺産となっている橋もすべて破壊され、国会議事堂もブダ城も攻撃されています。また、戦後はソビエトの支配下にあり、経済的にも決して恵まれた環境にはありませんでした。現在の政治体制になったは1990年のことでした。ハンガリーの経済は2000年ごろから急成長を遂げていますが、それでも EU諸国に比べると国民の生活は決して豊かなものではありません。
 現在は観光地として多くに人が訪れ、街の治安も良くなっています。ドナウ河に面したブダ城や国会議事堂やいくつもの橋の夜景は有名で、多くの船が行き交います(写真)。ハンガリーの象徴とも言われいる国会議事堂は19世紀末に国の独立を示すために建設された豪華絢爛な建物です。しかし、窓の外を見ると外壁には第二次世界大戦の砲弾のあとが残っていました(写真)。
 Miklosi 博士は社会がようやく動き出した時代に、限られた資源や科学研究費の中でさまざまな工夫をして多くの研究成果を世界に発信しています。オオカミとイヌの比較研究(写真)から認知や行動さらには高齢犬の研究などを行ってきています。大きな機材や予算を投じるのではなく、工夫を重ねながら画期的な研究を展開しています。その秘訣の一つは博士の行動力だと感じます。常に精力的に世界の研究者と交流し、若手を受け入れている、成果を世の中に発信していることです。

 動物介在教育・療法学会の仕事をしていると、つい米国やイギリス、ドイツなどと比較して、日本はまだまだ、とか、日本では難しい、といった気持ちになることがあります。しかし、Miklosi博士を見ていると、それは言い訳でしかないこと気づかされます。
 今年は本学会が日本で何ができるか、何を世界に発信するべきかを考えて活動をしたいと考えております。皆様におかれましてもぜひ一緒に前進していただければ幸いです。

最後になりますが、会員の皆様方の本年のご活躍とご発展、ご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

国会議事堂(窓の外にある砲弾の痕と夜景)

研究所のオオカミが参加者に挨拶する(参加者は餌をやったりしている)写真撮影をした