IAHAIO白書はIAHAIOの委員会で検討し、2014年7月の総会で承認された、動物介在介入と動物介在活動の定義と活動動物の福祉のガイドラインです。
原文:AGM -IAHAIO WHITE PAPER TASK FORCE - FINAL REPORT - 070714.pdf
介在介入とは、動物を意図的に取り入れまたは組み人の治療効果のための目標設定がされている健 康、教育、人的サービス(例:社会福祉事業)上の介入である。動物介在介入は、動物介在療法(AAT) や動物介在教育(AAE)等正規の人的サービスに、人と動物のチームを組み込んでいる。
・クライアントの安全対策がなければならない。専門家はAAI とAAA に関わっているクライアント のリスクを軽減しなければならない。クライアントが動物種や品種のアレルギーがないことを確認し、人によってはリスクが高いことやリスクの種類 (例:免疫抑制された患者の感染、動物を通じて人から人に感染する疾患等)による除外の基準に対する認識を持っていなければならない。個々の動物との適正な事前テストが推奨される。
・クライアントは介在に組み込まれている特定の動物に対し、様々な意見を持っていることがある。推奨されるAAI やAAA がクライアントの信念(宗教、文化、その他)に反するとき、専門家はクライアントと他の方法を話し合うことが推奨される。
AAI やAAA は、心身共に健康で、このような活動を楽しむことができる動物によってのみ活動を行う。
専門家は一緒に活動をしている動物の福祉に責任がある。あらゆるAAI 及びAAA において専門家は、動物を含む参加者全員の安全と福祉を考慮しなければならない。種に関わらず参加している動物は、単なる道具ではなく生き物であることを、専門家は理解していなければならない。下記は補助犬を含めAAI やAAA に関係している動物に関する最も推奨されるべき基本概念の説明である。
・家畜といわれる動物のみ介入または活動に参加できる。家畜(例:犬、猫、馬、農業動物、モルモット、ねずみ、魚、鳥)とは、人との社会的相互作用を持つことに適した動物である。多くの魚類が施設等でペットとして飼われているが、社会的相互作用に適している物は少ないということは知っておかなければならない。(鳥と魚は野生から捕獲されたものではなく、人工繁殖されたものでなければならない。)家畜は人間と十分に社会化している、かつ陽性強化法等の人道的な方法でトレーニングされたものでなければならない。家畜は、国または国際的な団体等の特定の基準を満たしていることを認定されていなければならない。野生種(例:イルカ、ゾウ、オマキザル、プレーリードッグ、節足動物、は虫類)は、たとえ人になれたものでも相互作用に関わってはならない。クジラ・イルカ保護協会(WDCS)のイルカ介在療法に関する文献には、人間の参加者とイルカ双方の精神的または 身体的福祉を満たせるとは考え難いと記載されている(Brakes & Williamson, 2007, p18)。しかし野生動物と直接ふれあうことではなく、国や国際的な福祉基準を満たしている保護区やサンクチュアリーなどにいる動物にストレスを与えず、住環境に損傷を与えることなく行われる動物の観察や鑑賞は、活動に含んでも構わない。
・飼い主から良いペットと思われている多くの動物を含め、すべての動物がAAI やAAA の良い候補であるとは限らない。AAI やAAA に参加する動物は、動物行動学の専門家である獣医師や動物行動学者によって慎重に評価されなければならない。適切な性質をもち適切なトレーニングを受けた動物のみがAAI やAAA に選ばれるべきである。適正な性質を保持していることを保証するために、定期的な評価を行うべきである。獣医行動学者または動物行動学者は、AAI の候補動物がクライアントと関わる前に健康、気性、行動の検査をし、適切な予防医学的基準を満たしていることを確認しなければならない。
情報提供:JAHA事務局 中西様